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紅子

25.福玉

年の瀬が迫ったら、祇園のお店の軒下に白とピンクの福玉が吊るされます

年末のご挨拶に寄せて貰うとお茶屋さんのお母さんや小母(あば)ちゃんが

お年玉がわりにくれはります。

福玉を二つも三つも下げて、舞妓同士「何が入ってるんやろう~楽しみやわぁ~」

と言いながら帰りました。

そやけど福玉はお正月の縁起もんやし、年が明けてから開けるもんやて言う事に

なってて、中が気になるものの、すぐには開けられしまへん

除夜の鐘を聞いてからすぐ開ける人やら、元旦の朝一番の楽しみにしてる人やら

色々どしたけど、中身は大抵、干支の置物やったり、ミニチュアやったりします

タンスやらお三味線やら手鏡やら小さいもんが入っています

お三味線やったら芸事が上達するとか、タンスやったらお衣装が増えるとか言われてました

七福神の置物が入ってた時は実家の母が大喜びで玄関に飾ってはりました

福玉は中身を出した後、皮も食べられるんで、おしるこのお餅の代わりになってました

もなかみたいにあんこを挟んで食べはるって聞いた事もおした

子供が小さかった時は毎年暮れになると、つい買うてましたけど今はもう買う事も

のうなりましたなぁ

顔見世のまねきと福玉を見ると年も押し迫ったなぁと感じるのどす

一年間紅子の「知っといやすか」をご覧になって頂き、ほんまにおおきに

慌ただしい年の瀬どすけど、くる年が皆様にとりまして良い年でありますように

おことうさんどす

 

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